◇岸田外相が防衛相兼務
稲田朋美防衛相は28日午前、防衛省で記者会見し、南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣された部隊の日報を巡る問題を受け、辞任する意向を表明した。安倍晋三首相はこれまで稲田氏を擁護してきただけに政権には打撃となる。
2012年12月の第2次安倍内閣発足後、閣僚が辞任するのは今年4月の今村雅弘復興相に続き6人目。8月3日に内閣改造が予定されていることから稲田氏の後任はそれまで置かず、岸田文雄外相が兼務する。
首相は稲田氏からの辞表を受理した後、首相官邸で記者団に「閣僚が辞任することになったことについて、国民の皆さまに心からおわび申し上げたい」と陳謝した。さらに「閣僚の任命責任は首相たる私にある。国民の閣僚に対する厳しい批判は私自身、真摯(しんし)に受け止めなければならない」と語った。野党が求めている稲田氏出席の国会の閉会中審査に関しては「国会から要請があれば政府として協力する」と述べるにとどめた。
稲田氏は会見で「一連の問題は自衛隊員の士気を低下させかねない点で極めて重大かつ深刻」と語った上で「指揮・監督する防衛相として責任を痛感している」と表明。辞表が首相に受理されたことを明かした。「日報問題で管理監督者としての責任は免れないと思っていた」とも述べた。大臣給与1カ月分を国庫に返納する考えも示した。
日報問題では、陸自内で「廃棄した」と説明していた日報の電子データが見つかり、陸自は今年2月13日に稲田氏に報告、同15日に黒江哲郎事務次官、岡部俊哉陸上幕僚長ら幹部と協議した際にも陸自内の電子データの存在に言及があったとされる。しかし、稲田氏は国会答弁で一貫して報告を受けたことを否定。28日の会見でも「報告を受けたという認識はない」と主張した。
これまで首相は「徹底的な調査を行い、改めるべき点があれば徹底的に改善し、再発防止を図ることで責任を果たしてほしい」(24日の衆院予算委員会)などと稲田氏を罷免する考えがないことを強調。当初は内閣改造の際に稲田氏を交代させる考えだった。【木下訓明】
(出典 news.nicovideo.jp)
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