◇「重症熱性血小板減少症候群」を発症

 厚生労働省は24日、西日本の50代の女性が昨年夏、野良ネコにかまれた後にマダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を発症し、死亡していたと発表した。動物によってSFTSが人に感染したとみられる事例が判明したのは初めて。同省は都道府県や獣医師らに体調不良のペットなどに接触する際は感染に注意するよう通知を出した。

 厚労省によると、女性は、衰弱した野良ネコを動物病院に連れて行った際に手をかまれ、約10日後に死亡した。女性にマダニにかまれた形跡はなかったが、SFTSの症状に似ていたため国立感染症研究所で分析したところ、感染が確認された。ネコにもSFTSの症状があったといい、ネコがマダニにかまれて発症し女性にうつしたとみられる。

 これまで動物がSFTSウイルスに感染してもほとんど発症しないため、人にうつすことはないと考えられてきた。しかし、今年に入りペットのネコやイヌで発症した事例を確認。飼い主は感染していなかったが、同省はペットにダニの駆除剤を使うよう注意喚起が必要と判断した。媒介するマダニは屋外にしかいないため、屋内でのみ飼育しているペットは感染しない。

 同省の担当者は「元気なイヌ、ネコから感染することはなく、動物から感染するケースは非常にまれ。ペットが体調不良になった際は念のため動物病院で診察してもらい、獣医師の指示に従ってほしい」と話している。【桐野耕一】

 ◇重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

 SFTSウイルスによる感染症で、6日〜2週間の潜伏期間を経て、発熱や嘔吐(おうと)、下血などの症状が出る。中国や韓国でも患者が確認され、致死率は6〜30%。国内では初めて患者が確認された2013年1月以降、西日本を中心に266人の患者が報告され、うち57人が死亡。死亡例はすべて50代以上で、高齢者が重症化しやすいと考えられている。シカやイノシシなどからもウイルスに感染していたことを示す抗体が検出されている。



(出典 news.nicovideo.jp)


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